考え方

その「褒めて伸ばす」という考えが相手も自分も駄目にする

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今日のお題は「褒める」ということ。部下を褒める、子供を褒める、パートナーを褒めるなど褒めて相手をやる気にさせ、その結果として色々な事が出来るようになる、成長させると言った思いを少なからず持っている人って多いですよね。昔は僕もその1人でした(笑)

部下が気持ちよく仕事をして貰うためには、上司として良いところを見つけて褒める。子供を叱るだけでなく、良かったことはキッチリと褒める。パートナーのことも気を配りながら褒める。

この「褒める」って行為、とても大切だと教わったような、どこかで聞いたような・・・で、いつの間にか自分の中で正しい、よい価値観になっている人が多いと思います。実際に自分が褒められたときに嬉しかった記憶も相まって尚更、「褒める」という行為の大切さを感じるようになった。

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「褒めた」のに・・・「褒められた」のに・・・

だけど、褒めるというのは必ずしも自分が思っていたように相手が受け取るわけではないです。そこが難しい。例えばこんな経験があるのでは?仕事や勉強を自分なりに一生懸命頑張ったけど、思ったような成果が出なかったとき、上司や親から褒められた。

上司「今回のプロジェクトの成果、よかったね!」

自分「いや・・・目標には遠く及ばずでしたのでダメでした・・・(無理に慰めてくれなくてもいいのに)」

またこんなこともある。髪を切った女性をと褒める。

自分「今度の髪型、似合ってるね!」

女性「あ、ありがとう・・・(前の髪型はダメだったの?)(私はこの髪型、失敗したと思ってるけど)」

このように「褒めた」のに相手には嫌がられたり、「褒めた」のに相手に怒られたり・・・

「褒められた」のに嘘だと感じたり、「褒められた」のに何かイラッときたり・・・

これって「褒めた」側からしたら何で?って感じですよね。そして、「褒められた」側も実は何で?だったり、何言ってるの?だったりすごく微妙。しかも、同じことを言われても言われる相手によっても素直に受け取れたり、受け取れなかったりになる。

「褒める」というのは誰でも出来るという行為ではない

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このようなことでもわかるように「褒める」という行為は難しいと思うんですよ。少なくとも僕には。それは相手の受け取り方によって大きく効果が左右するからで、僕にはそこが予測できないんですね。それなのに褒めることを「しなければならない」「したほうが良い」行為だと思いつづけていました。そしておそらく僕と同じように、難しいのに「褒める」ということを多くの人が努力し、そして壁に当たっている。実際にあなたの周りを見回してみてください。「褒め上手」って思える人はどのぐらいいるだろうか?

きっとほんの一握りだし、僕らが「褒め上手」と思っている人も本人の認識は褒め上手だとは思っていないかも。こんなに必要だという認識なのに上手く出来ないのは「褒める」というスキルはとても難しいものだから。誰でも出来る行為ではないと思うんです。

だったら、もう頑張って褒めようとするのやめませんか?

「褒める」ことは出来なくても「承認」ならできる

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そんなこと言われても「褒める」ことは大切だからやめられない!と思う方もいるでしょう。そんなときに是非、取り組んで欲しいのは「承認」という行為。「褒める」のは高等テクニックでみんなが使えるものではない。でも「承認」ならちょっと練習すれば出来るようになってくる。

実はこの「承認」という行為と「褒める」という行為、似ているようでちょっと違う。だから混同して理解している人もいる。そんなこと聞いたことがないから当たり前。でも、違いが分かるとすごく納得できて使い分けも出来るようになる。

ではその違いは何なの?

「褒める」ことと「承認する」ことの違い

テストで子供が90点を取ったとき

「褒める」なら

親「90点、すごいじゃない!」

子「そうでもないよ・・・」(だって、ほとんど全員100点だったよ)

「承認する」なら

親「90点だね」

子「うん。でもほとんどの人が100点だったんだ」

親「そうか。でもあと1問だから。次は間違えないようにしよう」

女性が髪を切ったとき

「褒める」なら

同僚「ショートも似合ってるね!」

女性「ありがとう」(思ったよりも切られてしまって自分は嫌なんだけど・・・)

「承認する」なら

同僚「髪を切ったんだね!」

女性「気づいてくれた?だけど、切りすぎてしまって・・・・」

同僚「そうなんだ~。でも僕は好きだなぁ」

女性「ほんと?ありがとう!」

このようにうまくいくとは「承認」でも限らない。それでも的外れなことをいうことにはならず、ただ価値判断のない事実だけ述べれば相手も受け入れやすくなる。だから頭を捻って絞り出して「褒める」ということをせずとも「承認」するということを意識して行うだけで苦手意識もなくなり、相手からの心象もよくなる。まさに一石二鳥なんです。

自分のため、相手のために「褒める」のではなく、「承認」を意識してやってみませんか?承認「acknowledge」出来る人間になりたい七転びでした。

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