こんにちは。2月末から出張で外泊が続き、3月3日に家に戻る僕には楽しみがあった。あの『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健共著の続編、『幸せになる勇気』が届いているはずでそれに目を通すのが楽しみで仕方なかった。
2013年に発売された『嫌われる勇気』に僕が出会ったのは2014年。アドラーという名前は当然聞いた事が無くて、フロム、フロイト、ユング以外にこんな人がいることに驚いたのも記憶に新しい。「目的論」「課題の分離」「共同体感覚」などその当時の僕に響く言葉が沢山あった本だった。
そして何よりも本の構成が好み。哲人と青年が議論を交わす内容で、僕の場合は青年と自分が重なって見え、青年の科白に苦笑いすることすらあった。その続編が『幸せになる勇気』。今回も哲人と青年のバトルは健在だった。
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勇気がキーワードの1つ アドラー心理学
今回の青年はさらに卑屈だ(笑)
今回の『幸せになる勇気』でとにかく面白いのは青年の卑屈さ(笑)。前回の『嫌われる勇気』もすごく卑屈だったが、今回は信じたアドラー心理学を使って実生活を送ってみたら失敗した。失敗したのはアドラー心理学が間違っているから、それを教えた哲人が机上の空論を青年に吹き込んだから的な被害妄想の塊で哲人のところに訪ねてくるところから始まる。
例の哲人とのやりとりで青年が哲人を罵倒する言葉だけ取ってみてもかなり面白い。
「不道徳の腐臭」「いい加減にしろ、この鉄面皮め!」「偽君子」など普段、他の本ではあまり見たことのない相手を罵倒する言葉の数々。追い詰められて出てくる言葉だからついつい見て笑ってしまう。3年間で青年に変化があったのは卑屈に磨きが掛かったということでは?と思えるほど。
アドラーの定義する愛とは?尊敬とは?
『幸せになる勇気』を読んでいて感じたこと。「愛」とはなにか?「尊敬」とはなにか?そしてそのヒントとなる考えはエーリッヒ・フロムの言葉が引用される。フロムの言葉も心に刺さるし、哲人の言葉(アドラーの考え)も心に刺さる。
きっと今回もじわじわと売れ続けベストセラーになるのではないだろうか。自分が卑屈だという自覚が少しでもあるなら青年に自分を重ね合わせ、きっと苦笑いしながら読み進める本になる。ただ、相変わらずアドラーの教えは痛い。本質を突かれているから尚更そう感じる。
もう一度『嫌われる勇気』が読みたくなったし、フロムの『愛するということ』もまたこの機会に読んでおこう。あなたの「愛」の定義はなんですか?勇気を出して殻を破らねば。
『嫌われる勇気』を読んだ人なら絶対お勧めだし、まだ読んでいない人は『嫌われる勇気』からこの機会に。なんせ『幸せになる勇気』はこれから話題になる本の一冊といって間違いないのだから。
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